緑内障

 

緑内障

 

緑内障について


 

緑内障とはどのような病気?

 目の病気というと、白内障以外にもう一つ有名な病気があります。それが緑内障です。今や40歳以上では20人に1人と言われ、日本の失明原因の第1位となっています。緑内障とはどのような病気なのか、詳しくご紹介致します。

 緑内障は、古代ギリシャのヒポクラテスの時代から知られている歴史の古い病気です。目の中には房水という水が入っています。しかし、常に同じ水が目の中に溜まっている訳ではなく、目の中には新しい水が送り込まれてくる所と、古くなった水が目の外に出ていく所があり、目の中の水は常に目の中を循環して、入れ替わっています。目の中に入ってくる水の量と外へ出ていく水の量が均等であれば、眼球は一定の硬さを保てます。この目の硬さを眼球の圧、すなわち眼圧と言います。しかし、何らかの原因で水が目の外へ出て行きにくい状態になると、水がどんどん目の中に溜まってきて、眼球が硬い状態になります。このように眼圧が高い状態では、視神経がその圧で圧迫され、視神経にダメージを受けます。視神経がダメージを受けることで、どんどん見えなくなる(視野が狭くなる)のです。

 緑内障の自覚症状は、見えない場所が出現する、あるいは見える範囲が狭くなることです。しかし、日常生活では、両眼で見ていますし、かなり進行してからでないと自覚症状は出ません。緑内障が怖いと言われるのは、自覚症状が出た時にはすでに末期の状態だからです。さらには、一度失ってしまった視野や視力を治療によって取り戻すことができないということです。緑内障の治療は、あくまでも緑内障の進行をゆっくりにするためのものであり、見え方を改善することはできません。緑内障は早期発見早期治療が大切なのです。

緑内障にはどんな検査があるの?

緑内障を診断し、治療していくための検査としては、主に次のようなものがあります。

①眼圧検査

眼圧が高いと視神経がダメージを受けて、視野が狭くなります。眼圧を低くコントロールすることが重要です。

②眼底検査

視神経のダメージの程度を観察します。緑内障では視神経乳頭のくぼみが大きくなります。

③視野検査

見える範囲を調べる検査です。緑内障では視野が狭くなっていきます。

これらの検査を定期的に行い、緑内障が進行していないかどうか調べていきます。

緑内障の治療法は?

 緑内障の治療は眼圧を下げて、視野が狭くなっていくのを食い止めることです。眼圧を下げるための方法として、次のようなものがあります。

①薬物療法

 緑内障点眼薬の発展は目覚ましく、ここ数年で次々と新薬が開発されています。点眼薬によって、眼圧を下げる治療が基本となります。

②レーザー治療

 閉塞隅角緑内障の場合に、緑内障発作の予防のために行ったり、開放隅角緑内障でも、房水の排水口に直接照射して、房水が目の外に出て行きやすくするために行います。

③手術療法

 薬物療法やレーザー治療で効果の得られない場合に行います。ただし、点眼薬同様、眼圧を下げ、進行を遅らせるようにするためのものであって、見え方が良くなったり、緑内障が治るわけではありません。

 緑内障は治ることのない病気ですが、治療をすることで進行を遅らせ、一生見え方に不自由することがないようにできる病気です。緑内障と診断されても、決して悲観する必要はありません。病気を正しく理解し、一緒に治療していきましょう。